正社員、アルバイト、パート、派遣問わず、退職理由で最も多いのが「人間関係」。人間しかいない世の中。
理屈なしで「合わない」という人との出会いは避けられません。
「合わない」結果、どのような事が起きるのか、それはそれぞれの環境やそれぞれのお人の受け止め方が
作用して決まってきますので、一概に何とも言えない問題です。
したがって、「人間関係で辞めるなんて・・・」とは私は言いませんし、言えません。
ただし、人間関係の問題で退職を検討している方に分かっておいて欲しいポイントが2つほどありますので、お話します。
【環境は自分では決められない】
例えば今、自分が、「人間関係が最悪」と考えている場所で仕事をしており、退職を考えている場合、その問題を転職で
解決できるという保証はどこにもないという事をまず肝に銘じて下さい。
例えば、転職したての時点での人間関係が最高であったとしても、自分が、もしくは良好な人間関係の中心人物が人事
異動でいなくなってしまうことだって十分あります。
また他部署から嫌いな社員が来る可能性だってあります。利益を追求する、会社組織の一員である以上、会社の上層部
が決めた人事はあくまで仕事をこなす能力に基づいて決定されていきます。そこに個人の「好き・嫌い」はありません。
自分の考えや適性は全く無視されて「人事異動」や「配置換え」が起こる可能性がある以上、「今現在」良好である環境は
永続的に続く保証等どこにもないのです。
それに、「人間関係以外」の理由で、退職者が出る可能性だってゼロではないはずです。
このような事から、人間関係はいつでも「水もの」であるとハラをくくる必要があるのです。
【自分から併せる努力も】
人間関係は「じゃんけんの様なもの」とよく私は例えます。相手がグーを出している時に自分もグーを出せればよいのですが、
いつでもそうとは限りません。相手に勝たれて自分が「カチーン」と来ることもあれば、逆もまたしかり。読み切れないじゃんけん
に一喜一憂するよりも、時にはわざと負けるという「譲歩」も大切。人間関係に左右されない方は、このじゃんけんが上手。
いっつもあと出しで負け続けて相手を立てながら、肝心な場所では必ず勝つような努力をする。すると普段のじゃんけんに
勝っていることでメンツが立っている相手も「たまにはいっか」となってしまうのです。
個人的な「合う・合わない」は絶対にありますし、いつでも「合う相手」と仕事ができることはハッキリ言ってありません。
そんな時に振り返って欲しいのは、「自分は相手に合わせようとしたか？」という点です。
合わせてくれない相手に怒るより、環境に失望するより、自分が合わせた方が早いこともあります。つまり、「負けるが勝ち」です。
努力しても環境は変えられなくても、イヤな相手と合わせる自分になるのはちょっとの努力でできるものです。
「人間関係で辞めるな」とは言いません。しかし、環境は自分では変えられない事が多いこと、そして、相手に合わせる事で自分
を変える、それにより環境を良くしていく事はできること。人間関係で悩んでいらっしゃる方、この2点をどうぞご理解頂ければと思います。
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